2019年の富士登山シーズンが終わり、もう来年の計画を立てられてる方が多いではないでしょうか?
初心者でも登りやすく富士山を満喫できるルートを詳細とともにご紹介します!長くなるので2回に分けて投稿します。少しでもためになればと思いますのでご活用下さい。
登山ルート
日に日に増える富士登山者ですが、まずどのルートで登ろうか初めての方は悩まれると思います。
登山ルートは大きく分けて4つあります。
- 吉田ルート
- 須走ルート
- 御殿場ルート
- 富士宮ルート
富士山の北にあたる山梨側から吉田ルート、東側が須走ルート(ギリギリ静岡)、南東側に御殿場ルート、南に富士宮ルートとなっています。
登山者が最も多いのは吉田ルートで次いで富士宮ルートとなります。そして今回紹介するルートは第5のルートとも言われるプリンスルートです!
プリンスルートとは、車で行ける五合目の標高が1番高い富士宮ルートを出発して六合目から宝永山へ向かいトラバース(横断)し登山者の比較的少ない御殿場ルートに合流するという良いとこ取りのルートです。
ではなぜプリンスルートかと言いますと、平成20年(2008年)に皇太子徳仁親王殿下が富士登山をされた際に通ったルートだからです!
このプリンスルートを今回の記事では紹介させていただきたいと思います。個人的にオススメなのが宝永山!何と1707年に噴火した富士山の南東に見える大きな出っ張りです!約300年前というのが驚きです!やっぱりいつ噴火してもおかしくない山なんですよね、富士山は。
紹介する山小屋は皇太子徳仁親王殿下が実際に宿泊された御殿場口七合九勺にある赤岩八合館です。今回は山小屋到着までを取り上げます。
富士宮口五合目に行くまで
山開きの期間は自家用車(レンタカー含む)で五合目まで行くことができません!
二合目にある水ヶ塚公園に車を停め、臨時のシャトルバスで五合目に登っていくことになります。
団体客などのバスは富士山スカイライン登山道も入れるためそのまま五合目にに辿り着けます。

自転車はマイカー規制の対象外のためたくさんの方が登っていました!中には電動自転車で登られている強者もいましたよ!
富士宮口五合目レストハウス
富士宮口五合目は1つの大きな建物をレストハウスとして食堂・お土産屋・トイレなどが集結しています。


トイレも2019年に綺麗な水洗トイレに変わり快適に利用できます!
ここで1時間程度は高所順応しておきたいですね!すでに標高は2,400m程度となっています。まだ歩いていないのに全国で200番に入る標高の高い山と肩を並べます。妙高山より少し低い程度です。よく練習として登られる方の多い大山(神奈川県)は1,252mで高尾山は599mなのでどれだけ標高が高いかお分りいただけたかと思います!
また、大山や高尾山では脚力の面での練習にはなりますが高山病対策の面では全く効果がありませんので気をつけてください。
登山開始
五合目〜六合目

この階段がスタートラインです!スタートラインでは富士山保全協力金を募っています。金額は千円で協力を行うと大きな缶バッジをいただけます!また、ビーコンを登山者に配り登山の動向や遭難対策のためのデータを集めていました。

階段を登りきると富士山表口標高2,400m地点の看板が出てきます。写真撮影スポットとなっておりたくさんの人が写真を撮っています!


六合目までは登山というよりハイキングに近いなだらかな傾斜が続きます。六合目から宝永山に抜けるハイキングコースもあるため本当にスニーカーでも登れてしまう程度の道です。
しかし、楽だからといって早く登ってしまうとその後のペースをつかむことが難しくなります。また、折角なだらからな道なのでゆっくり歩いて高所順応も兼ねると後々とっても楽になります!
ゆっくり歩いても30分かからず六合目に到着します。

まだ、30分しか歩いていないということで通過してしまいそうですが、プリンスルートの最大といってもいいデメリットである途中トイレがないという事態がこの後、最低2時間程度続きますので可能な限りトイレに行きましょう!
一応、強めに言いましたけど私は今まで一度も寄ったことはなく途中トイレに行きたくなるということもありませんでした。というのも歩き続ける=運動しているということなので、汗で水分はほとんど出てしまいますつまりトイレに行きたくならないんです!五合目でしっかり済ませていればそこまで気にすることないかもしれませんが責任は持てないので一応言っておきます!不安なら六合目でトイレに行きましょう!
六合目〜宝永第一火口
六合目の出発でトップレベルに重要なポイントにぶつかります。それは、富士宮ルートとプリンスルート(宝永山方面)の分岐です。直角に左へ曲がり山頂方面に伸びる道が富士宮ルートです。最短距離で山頂に行けるルートではあるのですがその分標高がどんどん上がっていくので高山病になるリスクが上がることと道が広くなく登山道と下山道が一緒のため慣れていないと余計に疲れてしまう可能性があります。
宝永山方面は少し下っていくイメージになります。これは途中から火口に入るので自然と下るかたちになるんです!


緑の多い道を進んでいくと10分程度で急に開けた場所が出てきます。宝永第一火口縁です。看板があるのですぐにわかるかと思います!看板が出てきたら左に曲がって宝永山に向かいます。(この看板は宝永山側から来た場合正面に見えるため実際は右側から来ます)


ここから宝永火口へ向けて下っていきます。宝永火口ではゆっくり休憩ができるのでそこまで一気に頑張りましょう!ただしペースはゆっくりです!

手前から道がつながっているのがわかるかと思います。一番右側にあたる凹んだところが宝永第一火口です!

宝永第一火口は平でとても広くベンチも少し設置されています。休憩の定番ポイントとしてお昼時にはお弁当を食べている人も沢山います!
宝永第一火口〜馬ノ背

私は自然の雄大さをひしひしと感じるこの宝永第一火口がプリンスルートの中でもオススメのポイントですが、写真をよく見ていただくとわかると思いますが道がZのかたちで続いています。
これこそプリンスルート最大の難所である宝永山です!
もう少し詳しく解説すると右側に見えるコブが宝永山の山頂で登り切ると左に進んでいくのが富士山山頂コースとなります!歩いていくのは噴火の後の凹みの中なんです!

岩がゴロゴロしていて一歩進むたんびに少しずり落ちるという進まない感に加え、景色が変わらず進んでない感も合わさり精神的にも肉体的にもきついです!
本当にここだけはワープしたいといつも思います。そんな中少しでも精神と肉体を疲弊させないために気をつけることは2つ!
- 早く着こうと思わず進まなくて当たり前と思い続ける。
- 歩幅は小さくゆっくりゆっくり登っていく。
何を言ってるんだ?とお叱りを受けそうですがこれ本当に大事です!はじめて登った時なかなか着かないというじれったい気持ちがあり、その事を覚えていた2回目の宝永山では上の2つのことだけ気をつけて登りましたが辛さが全く違いこんなもんだっけ?と思えました!
前にゆっくり歩いている方がいた場合その人に負けないくらいゆっくり歩きましょう!

途中道が二手に分かれまずが真っ直ぐ進みます!写真の撮り方で右と左に分かれているように見えますが左が真っ直ぐで、右は完全に道から逸れていくかたちとなります!写真でいうと宝永山頂は右に曲がって登りきったらまた右に曲がるとすぐに山頂です。ここも眺めがいいので健脚の方はぜひ寄ってみてください!でも実は帰りに寄る方が負担も少なく行けるのでオススメです!
そうこうしていると登りきり、看板が見えてきたら馬の背です。その名の通り遠くから見たらちょうど馬の背中のように見えるところです!要は平らなところです。

大変お疲れ様でした。ここで登ってきた道を振り返り、自慢気に休憩をとりましょう!混んでる場合はすぐ先にもひらけたスペースがあるのでゆっくり休みましょう!
馬の背〜御殿場ルート合流(50分)
先ほどの馬の背の写真の右中央に見える火口の淵沿いに伸びる直線を登り(ここも傾斜がややありしんどいです)登りきったら後、右になだらかに登っていくと御殿場ルートの下山道に合流します。

有名な大砂走りという下山道です。解説は下山の時にします。この下山道を少し逆走すると30m程度で富士山頂→プリンスルートという小さな看板が出てきます!これを見逃さないように右にそれます!

これを見逃し登り始めてしまうと宝永山をはるかに上回る登り辛さにすぐに挫折することになります。柔らかい砂地なので靴はくるぶし程度まで沈みます。絶対に見逃さないようにしてください!

実はチャンスは2度あります。一度見落としても少しするとまた分岐の看板が出てきます!2つの分岐はすぐに合流して一本の道になるのでどちらからトラバース(横断)しても構いませんが自信がない場合一つ目でトラバースしましょう!

トラバース中に振り返ると宝永山と馬の背、また、馬の背から下山道に向かう道が一望できます!これはなかなかの絶景です!団体客が連なって歩いているのがまた味を出してます!ちょうど真ん中が馬の背です!この写真を見るとちょうど馬の背中に見えませんか?

トラバース中の道は晴れていれば問題ないのですが、雲にかかった時などは道がわからなくなるかもしれません。そんな時は下を見ると石や岩に矢印が書いてあるのでたどっていきましょう!

多少間違えても結果的に登山道には合流できますので心配しないでください。正面に御殿場ルートが見えてきますのでそのまま合流します。

御殿場ルート合流〜赤岩八合館

ここまで来ると山頂も山小屋も見えてくるので気持ちはだいぶ楽になります!また、登山者の少ない御殿場ルートなので周りを気にせず登ることができます。ただし、登山者が少ないとはいえ昨今の登山ブームもあって週末は少ないという割には多いと感じる方がいるかもしれませんのでもう少し具体的に説明すると登山者同士が繋がり団体になる程は人は来ませんし後ろから登山者きた場合譲るスペースも多くあり自分の登山ペースが他社の影響で変わることはないレベルです。吉田ルートや富士宮ルートは登山者が連なり、下山者も来るため前に行きたくてもいけない状況が起こります。
直線で登ればすぐ着きそうなのですが傾斜がきついのでジグザグになった傾斜の緩やかな道を登っていきます。
ここからは山小屋まで特に情報がないので、私の登山者観察を何点か紹介します!
- 外国人がやたらと多い
- 凄いラフな格好の人がたまにいてびっくり
- 未就学児が下山してくる
ブラジル国旗をマントにラテン系の音楽を流しながら登る方や海に来たの?と思うような半袖ハーパンの方まで様々な方が登山を楽しまれています!小さい子が下山してきた時は本当に驚きましたが毎年何人かとすれ違うのでとてもビックリします!(どうやって大砂走りを乗り切るのか軽装の人には聞いてみたいくらいです)
そうこうしていると不意に現れる3,000mの看板!山小屋を目指しているので本当に不意に現れます。プチ達成感がたまらない3,000mです!御殿場口六合目に合流してから1時間ちょっとでたどり着けす!また、3,000m地点からはすぐ上に山小屋が見えます!ずっと目指していた山小屋です!トイレ休憩や物資の調達をしたい目標にする方がほとんどです。しかし、この山小屋は既に廃業している日の出館です。事前に知っていれば大したことないのですが、知らないでたどり着いた場合の落胆は計り知れません。

また、少し登ると日の出館の50m手前に看板が出てきます。距離だけでいうと以下の通りとなります。

- 日の出館(七合目)標高3,030m・・・50m
- わらじ館(七合四勺)標高3,050m・・・300m
- 砂走館(七合五勺)標高3,090m・・・400m
- 赤岩八合館(七合九勺)標高3,290m・・・1,200m(宿泊場所であり初日のゴール地点)
それでは残り1,200m頑張りましょう!

先ほどの看板のすぐ上に見えた日の出館跡地です。休憩を取る方が多いですが山小屋自体は営業していないので物資の調達ができません!
しょうがないのでそのまま登っていくと上の方に日本の国旗が見えてきます!その国旗こそ、このプリンスルートで富士宮口六合目以降やっと現れる山小屋わらじ館です。



2枚目の写真の左上に映る山小屋が今回宿泊する赤岩八合館の姉妹館である砂走館です!やっと着いた山小屋なのでお手洗い等済ませたいところですが、もしまだ少し余裕がある場合砂走館まで行けば赤岩八合館に宿泊する場合はタダになりますので自分の身体に聞いてみてください!
わらじ館を出るとすぐに白い2本の木柱が見えてきます!木柱にはそれぞれ「日の出拝観絶好の地」「富士国立公園パノラマ台」と書かれています。

木柱を越えると砂走館に到着です!

週末は砂走館も赤岩八合館も予約ですぐにいっぱいになってしまうそうなで計画的に予約も登山も行いましょう!
少し話がそれましたが砂走館からさらに上を目指して登っていきます。赤岩八合館は白い山小屋なので遠くからでもはっきりと見分けがつきます。

あと一踏ん張りというところです!ちなみに写真で見るところのど真ん中に見える小屋は物資置き場かなんだかわかりませんが前を通ることもありません!実際は少し左上に見える横長の白い山小屋が赤岩八合館です!

赤岩八合館が大きく見えてきました!あと少しです!そして足場が赤岩になっていることに気が付きます。


無事、1日目の登山が終了しました!大変お疲れ様でした!
山小屋でのご褒美である影富士や温かい飲み物、御来光まで堪能できますよ!(御来光は山小屋からも見れるんです)



今回はここまでで、山小屋についてと明朝出発してから山頂で御来光をみて下山するまでの2回に分けて更新していきます!


最後まで読んでいただきありがとうございました。